「3年で何が変わったか示せ」 「安倍自民」に新聞論説が「注文」

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   安倍晋三元首相が40年ぶりの決選投票の末に総裁に返り咲いて一晩明けた2012年9月27日、新聞各紙の1面コラムや論説は、ほぼ全紙が自民党に対する「注文」だった。各紙とも、次期総選挙で自民党が与党に復帰することを念頭に置いている模様だが、その中にで、安倍氏に対する期待感を表明するものもあれば、「民主より『まし』なのか」などと冷ややかなものもあり、温度差がある。

「総裁が代わっても、党の体質を変えなければ、政権に返り咲く資格などない」

安倍総裁には、さっそく様々な注文がつけられた
安倍総裁には、さっそく様々な注文がつけられた

   比較的多かったのが、09年の「下野以前」の自民党との差を示すように求める論調だ。例えば毎日新聞の社説では、「『古い自民』に引き返すな」と題して、

「野党3年、自民党は何を改め、どう変わったかを身をもって示すべきだ」

と主張。東京新聞も

「総裁が代わっても、党の体質を変えなければ、政権に返り咲く資格などない」

とした。

   朝日新聞の社説は「不安ぬぐう外交論を」と外交に焦点を当て、

「首相就任直後に中韓両国を訪問し、小泉政権で冷え切った中韓との関係を改善したのは安倍政権の功績だった。その経験を生かすべきだ」

と、一定の評価をしている。

   産業政策に力を入れるように求めたのが、日経新聞と読売新聞だ。社説の見出しは

「『決める政治』進めよ」(日経)
「政権奪還への政策力を高めよ」(読売)

といった具合で、「原発ゼロ」の見直しを求めた。読売は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加についても触れた。

産経コラムはメディアに「恨み節」

   安倍氏の「再登板」を最も歓迎しているように見えるのが、産経新聞だ。社説にあたる「主張」では、「『強い日本』再生策を語れ 政権奪還に反省生かせるか」と期待感をにじませた。

   産経新聞は、安倍氏の首相在任時には一貫して安倍氏を支持していたことで知られる。そのことも影響しているのか、1面の「挫折を糧に『宿題』果たせ」と題したコラムでは、

「安倍氏の在任中、メディアは『消えた年金問題』や『政治家の事務所費問題』について大々的に報じて責任を追及した。ところが、安倍氏が退陣すると、新たに同様の問題が発覚してもほとんど取り上げられなくなったのは記憶に新しい」

と、安倍氏を批判したメディアへの恨み節さえつづった。

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