「カツカレー」突然ブーム 安倍新総裁「3500円」が火をつけた

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   自民党総裁選で勝利を収めた安倍晋三元首相。投票直前にカツカレーを食べていたが、直後からなぜかインターネット上でカツカレーの話題が急増した。

   テレビ番組で、このカレーの価格が3500円と報じられたことが火をつけたようだ。ツイッター上では「3500円」という値段をめぐる議論や、とんかつ店のツイッターに人気が集まるなど、ちょっとしたブームを思わせる。

「安倍さんは庶民感覚がないと叩きはじめた」と怒る

カレー店で注文殺到
カレー店で注文殺到

   自民総裁選が行われた2012年9月26日午後、テレビ各局は各候補者の投票直前の様子を伝えた。注目したのは、その日の昼食だ。有力候補とされた安倍氏や石破茂前政調会長が、都内のホテルで選んだ食事はカツカレーだった。選挙に「勝つ」ための験担ぎの意味が込められている。

   安倍氏は支持者を前にした出陣式で、「私も今日はカツカレーだと思って、この1か月はカツカレーを食べずにとっておきました」とお腹をさすりながら、リラックスした表情で語りかけた。2007年9月、体調不良を理由に首相を辞任した過去がつきまとうだけに、健康をアピールするためか豪快にカレーをほおばってみせた。

   このカツカレーの値段について、毎日放送の情報番組「ちちんぷいぷい」の中で、現場リポーターがこう伝えた。

「通常のカレーだけで3500円、カツを乗せると特別オーダーでもっと高くなるそうです」

   リポーターが「種明かし」をする前に、スタジオのコメンテーターに値段を当てるよう促していた。誰も当てられずに「皆さん庶民ですね」と返したためか、ツイッター上では「安倍さんは庶民感覚がない、と叩きはじめた」などと怒る書き込みが増えた。その後リポーター本人が「ひと言も批判していません」と釈明している。

   とはいえ「3500円カレー」のインパクトが強かったのか、カツカレーはツイッター上を賑わし続ける。値段に関する驚きだけでなく、「今日はカツカレー食べたい」といった何気ないつぶやきやカレーの写真が投稿されていった。とんかつ専門店のアカウントは一気に注目度が高まり、「NAVERまとめ」には「安倍さんの3500円カツカレーと、庶民も楽しめるカツカレーの名店マップ」が登場。26日夕方から夜にかけて、ヤフーやツイッターのトレンドワードでトップに躍り出ている。

カレー専門店は株価上昇

   唐突なカツカレーブームは、9月27日になっても止まらない。グーグルの「急上昇ワード」では首位をキープ。この日は「昼食談義」でカツカレーが登場していた。ツイッターを見てみると、「学食でカツカレー売り切れ」「店員に聞いたら、普段の5倍カツカレーが出てるって」と、ネット上だけの騒ぎにとどまらず、実際に「特需」が起きていたようだ。

   カレー専門店「CoCo壱番屋」に関連するツイートも多い。「CoCo壱でカツカレー食うかぁ」「客全員がカツカレーを注文してる」といった内容だ。運営会社の壱番屋は東証一部に上場している。「安倍効果」のおかげかは不明だが、27日の株価終値は前日比6円高と好調だった。

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