尖閣侵入の台湾漁船団支援の黒幕は 日本企業の技術もとに中国で大成功した菓子メーカー

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日本の米菓子メーカー創業者を「旺旺の父」と呼ぶ

   今では中国に「ベッタリ」の印象が濃い旺旺だが、日本との間にも切っても切れない縁があった。「東洋経済オンライン」は2011年10月12日、蔡社長のロングインタビューを掲載。この中で、倒産寸前だった旺旺の前身会社が今日のような大企業に成長した功労者として日本企業の名を挙げている。新潟県の米菓メーカー、岩塚製菓だ。

   蔡社長は、当時の岩塚の社長で創業者の槙計作氏(故人)に提携を持ちかけた。断られながらも粘り強く交渉を重ねて、最後は直談判で了承を得る。蔡社長は今も槙氏を「旺旺の父」と尊敬し、自社の経営理念には槙氏の言葉を取り入れた。ウェブサイトを見ると、旺旺の新社屋の除幕式には岩塚製菓の現社長を招き、同社の上海本部には槙氏の銅像を建てたと書かれている。

   日本企業から受けた「恩」に誠実にこたえていた蔡社長が、その日本に向けて弓を引くように抗議船の「黒幕」になったとしたら、それほど中国の存在が大きいという意味だろうか。専門家の中には、中国側が日本にさらなる揺さぶりをかけるため、旺旺に協力を呼びかけたのではないかと見るむきもあった。

   旺旺は現在、新聞「中国時報」やテレビ局「中天電視」のオーナーで、ラジオや雑誌も持つ一大メディアグループとなっている。だが台湾内では、旺旺のこうした動きを必ずしも歓迎していない。マスコミ独占に危機感を抱いた市民が反対デモを開いたこともある。

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