朝日新聞大阪本社の女性記者のツイッター上の発言に、大阪市の橋下徹市長が「偉そうすぎるだろ」などと反発、市長は朝日新聞記者については「僕のツイッターを基にした議論はしない」と通告した。
その結果、記者は発言について謝罪したうえ「しばらく頭を冷やし、つぶやきは控えます」と、ツイッターの一時休止宣言に追い込まれた。
「あんたのスチュワーデス姿なんて場末のラウンジのお化け祭り以下だぜ」
橋下市長が「休日」だとしていた2012年9月24日に、元従軍慰安婦の女性が大阪市役所を訪れ、面会ができなかったことが今回の問題の発端だ。その際、朝日新聞大阪本社の阿久沢悦子記者がツイッターで、
「ふざけんな。出て来い!」
などと批判したことに、橋下市長が
「阿久沢記者が会えという人に僕が絶対に会わないといけないということか。それは偉そうすぎるだろ」
などと応戦。阿久沢記者は「出て来い!」の表現については陳謝したものの、記者会見で論戦することを宣言。橋下市長の女性スキャンダルに絡んで、
「スチュワーデスっぽい格好をして行ったらいいですか?」
と皮肉った。
「売り言葉に買い言葉」の様相で、橋下市長は9月26日、
「おー、来い来い。あのなー、どれだけあんたは自信過剰なんだ。あんたのスチュワーデス姿なんて場末のラウンジのお化け祭り以下だぜ。絶対に着て来いよ!」
と書き込んだ。
朝日新聞からツイッターに関連した質問は受けないことを宣言
また、橋下市長は
「いずれにしても朝日新聞の阿久沢記者が、僕のツイッターを暇つぶしと言い切ったので、この態度を改めない限り、朝日の記者に対しては、僕のツイッターを基にした議論はしない」
と、朝日新聞からツイッターに関連した質問は受けないことを宣言した。なお、阿久沢記者のツイートでは、少なくとも今回の問題については「暇つぶし」という単語は登場しないが、
「86歳がわざわざ韓国から来たのに、橋下市長は同時刻に自宅でツイッター三昧」
「同じ時間にツイッターとはねえ」
といった批判を展開しており、署名入り記事でも同様の記述がある。
これ以降、阿久沢記者は防戦に転じた。朝日新聞社のツイッター・ガイドライン(暫定版)では、
「市民としての常識や品位、節度を大切にするのはもちろんのこと、朝日新聞記者として高い倫理をもち、やりとりが建設的なものになるよう努める」
「事実と意見を分けて書くよう努める。発言の裏付けとなる客観的事実、科学的根拠、論理性に気を配り、『知らない』ことについて謙虚さを忘れず、つねに学ぶ姿勢を保つ」
といったことがうたわれており、阿久沢記者のツイートがガイドラインに違反しているとの声が続出。この点については、
「ご指摘を重く受け止めます。以後、ガイドラインに沿った運用を心がけます」
と陳謝した上で、元々の発言についても、
「一連のツイッターの中で橋下市長に失礼な発言をしたことをおわびします。市長ご指摘のとおり、橋下市長のツイッターは重要な取材対象と認識しています。やりとりの中で冷静さを失い、市長をはじめ皆様に不快な思いをさせてしまいました。反省しています。しばらく頭を冷やし、つぶやきは控えます」
と反省の弁を述べた。これを受け、橋下市長は
「朝日新聞の阿久沢記者が自身のツイッターできっちりと謝罪をしたので、以後、朝日新聞の記者からこれまでどおり僕のツイッターを基にした取材を受けます」
と矛を収めた。