お笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里亮太さんが、テレビ番組で相方のしずちゃんと不仲だったと明かした。
「和解」したのはごく最近、しずちゃんがボクシングでロンドン五輪を目指し始めてからだというから驚きだ。そこまで相方を嫌っていたのはなぜか。
才能に嫉妬し「ムカついて仕方がなかった」
山里さんは2012年9月22日放送の「ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ!」(テレビ朝日系)に出演、相方のしずちゃんとの「マル秘エピソード」の数々を明かした。
「南キャン」は山里さんがしずちゃんに声をかけて誕生した。だがこれまでは逆に「僕が誘われた、と言っていた」。当時しずちゃんは別の男性芸人とコンビを組んでいたが、その才能にほれ込んだ山里さんが「強奪」したのだ。だがその男性芸人は先輩からかわいがられており、無理に奪ったとなれば「大阪で生きていけない」と恐れた山里さんがしずちゃんに頼みこみ、ウソの結成エピソードを作り上げたのだという。
ところがその才能が、山里さんの嫉妬心を呼び起こすことになったようだ。お笑いの枠を超えて、映画「フラガール」やドラマの出演、シャンプーのテレビコマーシャルで人気女性タレントと共演するなど、ひとり活躍の場を広げていくしずちゃん。山里さんは、「何をやっても前を走ってキラキラ輝いている姿がムカついて仕方がなかった」と告白した。コンビでしずちゃんが評価された時も、「この子がしゃべったことは僕が用意したのに」とジェラシーを抱いた。
それでも、「得体のしれない変わった女の子」と自身が描いたイメージを無理にしずちゃんに押しつけた結果、山里さんの助言に全く耳を貸さなくなったという。その時期は「しずちゃんは僕のことが嫌いだと思っていた」。
転機は、山里さんが先輩芸人にしずちゃんの愚痴を言っていたときだった。逆に先輩にこっぴどく怒られ、「真実」を教えられたという。
山里さんのしずちゃんへの態度は、周囲の芸人仲間も「あれはヒドい」と苦々しく感じていた。そのことを耳にするたびにしずちゃんは、
「私は山ちゃんに拾ってもらったから、(コンビを)解散しません」
と言い続けたのだそうだ。
「6年以上もかばい続けてくれた」
たとえ芸人仲間から「山里はダメだ」と言われても、しずちゃんは「6年以上も僕をかばい続けてくれた」と、本人も驚いた様子だ。その「コンビ愛」のエピソードも披露された。映画「フラガール」では、出演者のテロップでわざわざ「南海キャンディーズ」とコンビ名を入れてもらうように関係者に頼んでいた。ひとりで活動していても、あくまで自分の居場所はここだと示したかったのだろう。
これらのエピソードはインターネット上でも話題となり、ツイッター上では「めっちゃええ話やん」「泣けた」「しずちゃんが山ちゃんのことをちゃんと観ていたのか」と、しずちゃんの好感度がアップしていた。
わだかまりが解けたのは、しずちゃんが女子ボクシングでロンドン五輪を目指し始めた頃だと山里さん。ここ1、2年のことだ。五輪出場のため、多忙なスケジュールをぬって厳しいトレーニングに励むしずちゃんを傍らで見続け、脳に「影」が見つかって継続が心配されたときには、相談を受けたという。
これまではしずちゃんが注目を浴びると、山里さんはたびたびネタで「解散が心配」と語っていた。五輪挑戦を経てコンビとしての絆が深まった今は「接し方が変わった。今が一番仲がいい」とまで山里さんは言い切った。