長谷川洋三の産業ウォッチ
カタール工業大臣のLNG需給見通し:米国の輸出拡大には時間がかかる

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「豊富なシェールガス資源は天然ガスの供給や地理的流通の安全性を高めるなどプラスになると考える。しかし米国のLNG輸出量は限定的で十分に利用されるには時間がかかるだろう」

   カタールのモハメド・ビン・サレ・アルサダ・エネルギー工業大臣は2012年9月19日、東京・芝公園のザ・プリンスパークタワー東京で開いた世界初のLNG生産国消費国会議でこう強調した。

   同会議はLNGの長期需給見通しに対する理解を深め、取引市場の透明化を図る狙いで経済産業省などの呼びかけで開催された。

「原油と非連動の価格体系にすることを喜ぶとは思わない」

   話題の中心は米国におけるシェールガスの生産の急増と天然ガス価格の低下が国際市場に与える影響。これに対しアルサダ大臣は「北米産のシェールガスが現在のLNG市場を変えるとは思わないし、グローバル生産者が長期の供給契約を原油と非連動の価格体系にすることを喜ぶとは思わない」と指摘。

   「カタールは、過去15年にわたって日本に安定的に信頼のできるLNGを供給してきたし、将来的にも日本のパートナーに強いコミットメントを提供する。グローバルエネルギー問題を解決するには生産者と消費者の長期的なパートナーシツプに立った建設的な対話が必要だ」と強調した。

   中部電力や東京ガスなどユーザー側からは供給の多様化と合理的な価格体系の必要性などを求める発言が相次いだ。また枝野経済産業大臣は原発依存度を減らし、化石燃料依存度を抑制することを基本とした「革新的エネルギー・環境戦略」を政府決定したことを報告するとともに、LNGの安定調達を支える手段の一つとしてLNGの先物市場の創設を今秋から検討することを明らかにした。

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