ポストシーズンで登板でも短いイニング限定か
斎藤投手は来年25歳、チームを引っ張っていく立場の年齢になる。本格的にフォーム改造に取り組むとなれば時間が必要だが、若手投手が続々と伸びてくると先発ローテーションの「椅子」は奪われるだけに、悠長に構えてはいられない。自ら「負けず嫌い」と称し、2軍相手に炎上しても弱音を吐かずにプライドの高さをのぞかせるが、「崖っぷち」の今こそ周囲のアドバイスに耳を傾けたほうがよいと菅谷氏は話す。それほど事態は深刻とみているようだ。
一方で球団側が、斎藤投手が進んで話を聞きたがるような「大物コーチ」を用意する手もあるだろう。「例えば、甲子園の優勝投手で巨人のエースを務め、大リーグも経験した桑田真澄氏。実績は申し分ありません」(菅谷氏)。巡回コーチのような名目を与えて、斎藤投手のフォームの指導に当たらせるというアイデアだ。
斎藤投手は9月25日のイースタンリーグの試合で、横浜DeNAベイスターズのファームを相手に7回4安打無失点と久々に好投してみせた。日本ハムは「クライマックスシリーズ(CS)」に進出する可能性が高い。この投球内容が続くようならCS、さらには日本シリーズに向けて投手陣を整備したい首脳陣が1軍に呼ぶ可能性はある。「開幕投手に指名した栗山監督だけに、今も斎藤投手への『思い』はあるでしょう」と菅谷氏。ただ、仮にポストシーズンで登板させるにしても中継ぎで短いイニング限定、と予測する。根本的な解決が図られていない以上、短期決戦のシリーズで先発として使うには不安というわけだ。
球界で生き残り、活躍するために大胆な「変身」が必要とみられる斎藤投手だが、年齢的に見て時間的余裕は限られている。入団2年目で、早くも重大な局面を迎えている。