米アップルのスマートフォン(スマホ)「アイフォーン(iPhone)5」の販売がスタートした。発売当日は、徹夜組を含む大勢の人が販売店の前に列をなし、好調な滑り出しとなっている。
従来型の携帯電話からスマホへの移行が進み、これまで機種変更を見合わせてきた人、特に女性の間で「私もそろそろ」と考え始める傾向が強まってきたようだ。
「持っている人が多く教えてもらえそう」
女性のスマホ所有率は現時点で、決して高いとは言えない。マーケティング会社「ハー・ストーリィ」が2012年9月20日に発表した、20~40代の女性500人を対象にしたスマホの意識調査結果によると、従来型携帯電話を今も使用している人は80%に上った。内訳はNTTドコモが48%、KDDI(au)とソフトバンクモバイル(SBM)がそれぞれ24%となっている。ハー・ストーリィは、まだ「ガラケー」とも呼ばれる従来型携帯を使っている女性を「マダガラ女子」と名付けるが、この中で「スマホデビューしたい」という回答が56%と、半数を超えた。
従来型携帯電話を持つ30代の女性に取材すると、かなりの割合で「スマホに興味はあります」と話す。現状ではあまり不便を感じないとしながらも、「スマホにすればインターネットが利用しやすそう。機能も充実しているので使いこなせれば便利でしょうね」と見る。スマホには「操作性とつながりやすさ」を求めるという。
いまスマホはさまざまな機種が販売されているが、買い替えを考える「マダガラ女子」の間で人気の端末は何か。ハー・ストーリィの調査では基本ソフト(OS)別に、iPhoneの「iOS」と、米グーグルが開発した「アンドロイド」を比較した。すると71%の回答者がiPhoneを選んだ。多くのメーカーがOSに採用しているアンドロイドの機種の方が全体のシェアは勝るが、それでもiPhoneが女性のハートをつかんだのは、「王道な感じがする」「持っている人が多く、教えてもらえそう」「見ていると楽しそう」という理由だった。
9月21日に発売した「iPhone5」は、既に受注数が前モデル「iPhone4S」の発売当初を大幅に上回るとの調査結果が出ている。国内でiPhoneを取り扱うのは、「4S」に続いてSBMとauだが、両社ともこれまで「iPhone効果」が顕著だ。SBMでは2012年8月まで8か月連続で、携帯電話の新規契約数から解約数を差し引いた「純増数」で首位をキープ。auも、同じ電話番号で別の携帯会社のサービスに変更する「番号持ち運び制度」(MNP)で11か月連続トップを守っている。