小鎚神社の例大祭が完全復活 復興の原点に【岩手・大槌発】

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「お祭りこそが復興の原点」。花巻祭りを鑑賞しながら、故郷の復興を語り合う被災者。左端はガイドの伊藤さん=花巻市上町で
「お祭りこそが復興の原点」。花巻祭りを鑑賞しながら、
故郷の復興を語り合う被災者。左端はガイドの伊藤さん=花巻市上町で

(ゆいっこ花巻;増子義久)

   「浜のお祭りに比べとおとなしい感じだが、京風の雅(みやび)な雰囲気が気に入った」―7日から3日間の日程で始まった「花巻まつり」を堪能してもらおう…と「ゆいっこ花巻」は花巻市内で避難生活を送っている沿岸被災者をおまつり広場に招待。スタッフの一人で観光ガイドの伊藤慶治さん(72)が由来など を説明した。花巻開町420年の今年は65頭の権現舞パレ-ド(26団体)を皮切りに鹿(しし)踊り(24団体)や12台の風流山車、136基の樽神輿な どが市内を練り歩いた。


   被災者の皆さんがまず度肝を抜かれたのが、高さ13メートルの屋形山車(幅3.6メートル、奥行き4メートル)。1992年の開町400年祭に合わせて明治時代のものを復元し「東北屈指の山車」と言われる。普段は収蔵庫に保管されているが、節目の今年はおまつり広場で一般公開された。「見上げるような迫力に圧倒された。それにどこから集まってくるのか、人、人…。まるで引力みたい。やっぱり、お祭りこそが町の土台を支えるエネルギ-なんだよね」と佐々木睦子さん(68)。


   佐々木さんは大槌町から避難して、花巻まつりを見るのは初めて。大槌町で最大の規模を誇る小鎚神社の例大祭は毎年9月中旬に開かれる。1200年の歴史を 誇る祭りで、三陸7明神のひとつに数えられている。しかし、大震災で壊滅的な被害を受けたため、昨年は犠牲者の鎮魂と復興の願いを込めた神輿4基が、辛うじて被災を免れた神社境内で寂しく運行されただけだった。


   大槌町など沿岸被災地で真っ先に復元したのは神楽や虎舞などの郷土芸能だった。「お祭りこそが地域コミュニティと震災復興の原点」という思いが込められて いた。そして、完全復活した今年の小鎚神社の例大祭は今月22~23日の2日間、町を上げて挙行される。佐々木さんが言った。「忘れかけていたお祭りの底力を花巻のみんなが思い出させてくれた。2日間、故郷のお祭りにどっぷり、浸かってきます」

豪華な屋形山車の前で記念写真に収まる被災者の人たち=花巻市上町で
豪華な屋形山車の前で記念写真に収まる被災者の人たち
=花巻市上町で


ゆいっこ
ゆいっこネットワークは民間有志による復興支援団体です。被災地の方を受け入れる内陸部の後方支援グループとして、救援物資提供やボランティア団体のコーディネート、内陸避難者の方のフォロー、被災地でのボランティア活動、復興会議の支援など、行政を補完する役割を担っております。
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