「小切手野球」でぶっちぎり優勝の巨人 「勝って当たり前」と周囲の目は冷ややか

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あまりの独走は球界全体を「白け」させる危険をはらむ

   「小切手野球」とは大リーグで言い始めた表現だ。その代表的な球団がヤンキース。ペナント奪回のためFA制度を利用、大金を積んで大物選手を集めてチャンピオンに返り咲いた。そのやり方を「いずれ球界はダメになる」と見てドジャースなどの優良経営者が球団を手放した。

   その予言通り、大型契約を勝ち取るため選手会はストライキを打ち、スター選手が育ったチームから平気で出て行った。球界全体に白けたムードが漂った。そしてエクスポズが破綻、カナダから消えた。

   つまり地元のスター選手が日替わりならぬ「年替わり」になってしまうため、ファンとの間に溝ができてしまうのだ。大リーグのチーム名は「都市+ニックネーム」で、日本のように「企業名+ニックネーム」ではない。本拠地とファンの結びつきは強いのだが、小切手野球によってそれが阻害された。現在はその反省によって運営されている。

   巨人の独走は怖い要素を含んでいる。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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