中国デモ隊が米大使の公用車襲う 「誤爆」続けば国際的信用を失う恐れ

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丹羽大使の公用車襲撃でも「遺憾の意」

   日本以外の国が、なぜかデモ隊のターゲットにされた事例はほかにもある。9月16日には広東省広州で、イタリア領事館の車両をデモ隊がひっくり返した。中国共産党機関紙「人民日報」電子版で9月17日、この件に関する中国外務省のコメントが紹介された。外務省の洪磊報道官が記者の質問に答える形式で、「法律に基づいて調査している」と回答する一方、中国が国際法に基づいて外交官の身の安全を守る措置をとっていると強調した

   民間レベルでも、日本と関係のない「犠牲者」が出ているようだ。韓国・東亜日報(電子版)は9月17日、アルファベットで「サムスン」と書かれた建物が破壊されている様子や、ハングルの看板を掲げた店舗が群衆に取り囲まれている写真を掲載した。記事では、サムスンが日本企業だと誤解されて襲われた可能性を指摘している。

   デモが長引いて諸外国への「誤爆」が続けば、中国国内の不安定さがクローズアップされ、国際的な信用を失いかねない。当局もこうした懸念を持ったのか、19日になると北京では市民に向けてデモ禁止を通達した。「今後はほかの方法で愛国を示してほしい」というのだ。日本大使館周辺は各国の大使館が集まるため、これ以上「粗相」を繰り返すわけにはいかないのだろう。

   大使の公用車が襲われた事例は、日本でも記憶に新しい。8月27日、丹羽宇一郎大使の乗った車が北京市内で強制的に停車させられ、掲げてあった日の丸を奪われた。この時も中国外務省は遺憾の意を表している。最終的には当局が、車を襲撃したとされる男2人を5日間の行政勾留処分にした。

   一方、今回の反日デモでは大使館のガラスが投石で割られたり、日本の民間企業が焼き討ちにあったりと多大な被害が出たが、中国政府は「責任は日本側にある」として今のところ謝罪していない。

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