事業の先行き懸念で「売り」先行
9月18日の東京株式市場ではほかにも流通・小売り大手の株価が大きく下げた。イオンの終値は25円安(2.79%減)の872円。一時は871円まで下がり年初来安値を更新した。イオンのスーパー「青島ジャスコ」の被害総額が2億元(約25億円)に達し、復旧に3か月かかるとの情報が響き、売られた。
セブン&アイHDは32円安(1.38%減)の2291円。テレビから店舗が大きく破壊される映像が流れた百貨店の平和堂も49円安(4.18%減)の1123円と大きく値を下げた。
流通・小売り大手はこの数年間、中国の消費者向けに商品をアレンジするなど、中国国内のニーズに対応した柔軟な運営で店舗数を急速に伸ばしてきた。しかし、「中国市場に魅力を感じていても、今回の衝突で中国へのリスクが小さくないと考える企業がないとはいえません。撤退はないでしょうが、インドネシアやベトナムに比重を高めるなど、海外戦略全体をいったん見直すことを迫られることになるでしょう」と、東レ経営研究所の永井知美・産業アナリストはみている。
一方、中国メディアなどは中国への経済的な依存度が高い日本にとって、中国に代わる存在はなく、「巨大な消費市場」である中国との関係を薄めることで、日本が今後も経済成長と繁栄を続けていくことは難しいと伝えている。中国としては、すでに「日本は中国に依存している」という経済への影響を積極的に伝えることで、日本に対して圧力をかける狙いがあるようだ。