石原氏は「経済利益を失ったっていい」
しかしながら、五十嵐氏と同じ意見は他にもある。
ジャーナリストの斎藤貴男氏も、9月18日発行の「日刊ゲンダイ」のコラムの中で、
「反日デモで被害を受けた日系企業は、石原に応分の損害賠償を請求すべきだろう。あなた方が人生をかけてきた営みを、努力を、ここまでくだらない手合いに弄ばれて、それでよいのか?」
と書いている。
中国外務省の洪磊・副報道局長は9月17日の記者会見で、日中の経済関係への悪影響について聞かれ、
「不法な国有化による日中関係への深刻で破壊的な影響はじょじょに、はっきりと現れてきており、その責任は完全に日本側にある」
と主張した。「補償問題」については具体的には語らなかった。
一方、石原都知事は、今回のデモ被害が拡大する前の発言だが、9月14日の会見で、
「経済利益を失ったっていい。ほかで権益を広げたら?」
と発言している。
なお、藤村官房長官は9月18日の記者会見で、反日デモで損害を受けた日系企業などへの補償については、「中国国内で起きており、中国の国内法に従って行われるべきだ」と述べ、中国側による善処を求めている。
多くの日本企業の施設が破壊されたり、商品が略奪された今回の反日デモ被害。このままもし「泣き寝入り」を強いられるようなことになれば、日本側の国民感情も収まらず、日中間の新たな火種にもなりそうだ。