「餃子の王将」チェーンの2店が始めた風力発電機が、ネット上で論議になっている。ダクト排出の風を利用するというのは、電力効率上いかがなものかということだ。
店舗の屋根に、店内の空気を排出するためのダクトが突き出ている。その前で、3つのプロペラが回っているのが、新設された小型風力発電機だ。
「排気効率悪くなるだけじゃ?」
「餃子の王将」を展開する王将フードサービスでは、2012年7月ごろから埼玉県内の草加店と滋賀県内の三雲店に、この発電機をチェーン店で初めて設置した。ダクトからの風と自然の風の両方を利用してプロペラを回すもので、ダクトの風の方が強ければそちらに向く、いわば風見鶏だ。最大出力は500ワットで、5ワットのLED照明なら100個までまかなえる。
これは店の電力の数%に当たり、店内照明の一部が充てられる計算になるという。発電機は、プロペラの形状や材質から騒音が少なく、微風でもプロペラが回るタイプだとしている。
ところが、風力発電利用が一部の新聞で9月12日に報じられると、ネット上では、発電のあり方について、次々に疑問が出された。
それは、ダクトに風を送る店内の換気扇に負担がかかって、換気扇の電力を余計に食ってしまい、発電の意味が乏しくなるのではないかということだ。2ちゃんねるのスレッドには、「排気効率悪くなるだけじゃ?」「総合的にはマイナスじゃないのか・・・」といった書き込みが相次いでいる。「それならそもそも換気扇のパワー落として運転したほうが、節電になる」という指摘もあった。
この発想は、「永久機関」の愚を犯すことではないかとの声も多い。飛行機や車にプロペラをつけて発電すれば、それだけ燃料がかかるのと同じで、エネルギー的にはマイナスになりかねないということらしい。
さらに、風力発電機のプロペラが油まみれになって、清掃代がかさんだり、内部が詰まったりしないかといった指摘なども出ていた。