尖閣沖は原油や天然ガスの「宝庫」 でも、試掘権の申請は40年近く棚上げ

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埋蔵量、実際はよくわからない

   ただ、当時の調査方法はスパーカ震源による地震探査法と呼ばれる、海中放電(スパーク)による衝撃を震源とする簡易調査法だった。原油の埋蔵量を評価するためには、海底下約6キロメートルまでの地下構造が解析できる近代的な地震探査法による調査が必要で、日本では1980年代になって取り入れられるようになった。

   その後の調査をもとに経済産業省石油審議会が1994年に試算したところよると、尖閣沖周辺の原油埋蔵量は約32.6億バレル(天然ガスを含む原油換算、5.18億キロリットル)になるとされ、ECAFEによる調査時のおよそ30分の1になってしまった。

   それでも、金額換算では約27兆円になる。

   また、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMC)によると、熱水中に含まれる銅やレアメタル(希少金属)が積もってできる「海底熱水鉱床」が石垣島周辺で見つかったことで、尖閣沖周辺にも新たな鉱床が見つかる可能性がないとはいえない、としている。

   政府は2012年9月11日、尖閣諸島の魚釣島と北小島、南小島を20億5000万円で国有化した。政府は購入目的を「平穏かつ安定的な維持・管理を図るため」としており、購入後は海上保安庁が管理し、灯台や漁船の待避施設などの整備は行わない方針だ。

   双日は、「原油や天然ガスがあるとされるので、期待はしています。しかし、国有化されたからといって何かが変わるようなことは当面ないでしょうし、国際的に安全が担保されない限り、前進はないでしょう」と話している。

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