任天堂の次世代ゲーム機「Wii U」の発売日が2012年12月8日に決まったが、ニュースサイト「ITmedia(アイティメディア)」が、Wii Uに関するアンケートを取ったところ、「買わない」と回答した人が86%にもなった。
ネットではアンチ任天堂の組織票ではないか、などと騒動になった。ITmediaは不正が見つかった、としてアンケートをやり直した。いったいどんな不正だったのか。
アンチ任天堂の組織票工作ではないかと大騒ぎ
ITmediaがサイト内のコーナーで「Wii U」に関するインターネットアンケートを開始したのが12年9月13日の午後5時頃だった。それが翌日14日の午後2時の途中経過で「Wii Uを買いますか?」の質問では、「買わない」が86%、「買う」が12%。「どちらか決めてないけど買う」「分からない」がいずれも0%になった。
「Wii U」は全世界で約9500万台出荷した大人気家庭用ゲーム機「Wii」の後継機で、ゲームファンは発売を楽しみに待っている。しかしこのアンケート結果は意外だとしてネットで騒ぎになった。
初めはアンチ任天堂の工作で組織票が投入された、との見方もあったが、それにしては数字のバラつきが変だという意見が出て、「2ちゃんねる」では14日の午後2時過ぎ、「不正なシステムが見つかった。ITmediaに通報しよう」との呼びかけが起こった。
今回のこの不正システムは、「2ちゃんねる」などに偽装されたURLが張られたもので、知らずにこのURLをクリックしてしまうとITmediaの投票所につながり、自動的に「買わない」に票が投じられるようにしたものらしい。
買わない人が45%、買う人が51%でアンケート進行中
ITmediaは14日午後6時に
「不正な投票が行われていたため、結果をリセットして投票を再開しました。一部2ch専用ブラウザで偽装されたURLを含むスレッドを表示した際に不正投票が行われる不具合を修正しました」
と公式ホームページの投票コーナーに告知し、投票を一からやり直した。
ちなみに、15日午後4時時点での投票結果は、「買わない」が45%、「ベーシックセットを買う」4%、「プレミアセットを買う」42%、「どちらのセットか決めていないけど買う」5%、「わからない」2%となっている。
「Wii U」は6.2型 のタッチ画面が付いたコントローラが特徴で、コントローラ単体で遊べたり、テレビとコントローラの2画面を使ったゲームが可能。価格はゲーム機本体とコントローラ、ACアダプターなどが付いたベーシックセットが税込み2万6250円、本体の縦置きスタンドなどが同梱されているプレミアムセットは税込み3万1500円で12年12月8日に発売される。
インターネットのアンケートでは、「組織票による歪み」が指摘されることがある。しかし、今回のように、巧妙なシステム操作による「不正」が明らかになるのは珍しい。通常はこれらの不正も予測し、事前に対策が施されていることが多いというが、ネットアンケートの脆弱性が、改めて浮き彫りになった形だ。