ホンダを含め「軽3強」の時代
実際、軽自動車の新車販売台数は2006年の202万台をピークに減少傾向にあるが、登録車と合わせた国内市場での割合は高まりつつある。今年1~8月で見れば37%に達し、10年前より5ポイント超も拡大した。また、全国軽自動車協会連合会によると、今年3月末時点の軽自動車の普及台数は100世帯あたり51台と過去最高を更新。単純計算で2世帯に1台は保有されていることになる。特に公共交通網の薄い地方では女性や高齢者の移動手段として欠かせなくなっている。登録車に比べて維持費が安いことも根強い人気を支える。
首位を行くダイハツは年々、スズキとの差を広げ、昨年の軽乗用車シェアは37.5%で5.9ポイント差をつけた。ダイハツはハイブリッド車並みの1リットル当たり30キロメートルの燃費性能を誇る軽乗用車「ミライース」で市場を開拓していることも大きい。ホンダの「N BOX」も今年、4月から5カ月連続で軽の販売首位を獲得。以前はスズキ、ダイハツが「軽2強」だったが、最近ではホンダを合わせて「軽3強」とも呼ばれる時代に入っている。
主力のインド市場では労働争議の影響でシェア低下が確実なスズキ。国内市場で反転攻勢を期す戦略には本気度が増しており、俳優の渡辺謙さんを起用したワゴンRのテレビCMも異例の積極展開という。