警戒区域解除に伴う「変化」を記録する【福島・いわき発】

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   楢葉町への立ち入りが自由になって1カ月。いわき市四倉町の海岸沿いにある国道6号の道路情報板も、「17km先/楢葉町以北/通行止」から「24km先/富岡町以北/通行止」に変わった(=写真)。


   6月に東洋大の学生がいわきへ調査に来たとき、道案内をした。四倉から警戒区域までの距離が一発でわかるので、津波被害の写真撮影と合わせて目に焼きつけるようにうながした。


   道路情報板はデジタル表示だ。いくつかの情報が繰り返し表示される。どこから通行止めなのか――ドライバーは認識できても、同乗者は見逃している場合が多い。いったん全員の意識を<警戒区域に近いところにいる>という点に集中させた。


   楢葉町は、ほぼ全域が「警戒区域」だった。8月10日にこれが解除され、宿泊はできないものの出入りが自由な「避難指示解除準備区域」に移行した。早速、津波の被害状況を見て回った知人がいる。3・11のままの写真を見せられた。


   被災地はいつも同じではない。少しずつ変化している。ただの道路情報板であっても、6月は「17キロ先が通行止め」だった、8月10日以降は「24キロ先」 に変わった。時間の経過に伴うモノ・コトの変化を記録することも大事だ――そんな思いでカメラを向ける。出来・不出来は問題ではない。


   3・11からちょうど1年半。「24km先/富岡町以北/通行止」の写真をあとでゼミの先生に送ろうと思う。

(タカじい)



タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
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