牛丼「安売り戦争」終焉 吉野家は480円の新商品

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   牛丼チェーンの吉野家の新メニュー、「牛焼肉丼」が2012年9月13日にお目見えした。通常の牛丼よりも具を40グラム増やして130グラムにするなどボリューム感をアップ。価格は牛丼(並盛)よりも100円高い480円とした。

   熾烈な安売り戦争から抜け出し、ライバルの「すき家」や「松屋」とは一線を画す商品として、新規顧客の獲得や客単価のアップを図り、収益向上につなげたいとの思惑があるようだ。

「焼く」ことで肉のおいしさ引き出す

牛丼チェーンの「安売り戦争」は消耗戦だった?
牛丼チェーンの「安売り戦争」は消耗戦だった?

   期間限定の値引きセールを繰り広げていた牛丼チェーン。当初こそ安売りが集客に結びつき、売上げアップにつながっていたが、さすがに毎月のようにキャンペーンが展開されたことで客単価は落ち、しだいには集客力も失って、ここ数か月は「沈静化」している。結果的に勝者なき消耗戦になっただけ、ということらしい。

   その「出口戦略」として、新メニューを投入したのが吉野家だ。「牛焼肉丼」は、豪州産の肉を使用。醤油とリンゴ果汁、国産コンブの旨みを効かせた甘辛い特製ダレで味つけした牛焼肉をご飯にのせる。30円の追加でご飯が大盛にできるほか、みそ汁や生野菜がついた「牛焼肉定食」(530円)も同時に発売する。

   すき家や松屋の牛丼(並盛)が280円で売られていることから、それと比べると吉野家の牛焼肉丼は200円も高くなるが、吉野家は「当面値下げは考えておらず、低価格とは対極の商品だ」(吉野家ホールディングスの門脇純孝専務)と、「脱安売り」を強調する。

   吉野家HDは、「これまでも価格競争を意識していたわけではない。『牛焼肉丼』は(牛丼よりも)100円高いが、肉を増量し、また焼きと新たな味つけで商品のクオリティは上がっており、それに見合う価格と考えている」と、胸を張る。

   7月10日に発売した「焼味ねぎ塩豚丼」(390円)も好評で、8月1日には300万食を突破。「『焼く』ことで肉のおいしさを引き出すことができた」として、牛肉にも応用した。

   松屋は8月23日から、カルビとキムチの「キムカル丼」を復活させ、490円(並盛)で提供。すき家は9月12日から、「きんぴらこんにゃく牛丼」を400円(並盛)で発売。これまでの安売り路線からの転換を図っている。

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