政府が革新的エネルギー・環境戦略の原案に、「2030年代に原発稼働ゼロ」と明記したことが2012年9月12日、明らかになった。
原案には「原発に依存しない社会の一日も早い実現」を基本方針に掲げた。民主党の提言にそって、(1)原発の40年運転制限を厳格に運用する(2)原子力規制委員会の安全確認を得た原発だけを再稼働する(3)原発の新設・増設は行わない――を3原則とした。
原発の代替電源は火力発電と、風力や太陽光などの再生可能エネルギーを両輪と位置づけた。火力発電は、地球温暖化対策のため使用を抑えてきた石炭火力を「ベース電源」とする方針に転換。再生可能エネルギーの30年時点の発電量を2010年に比べて3倍まで増やす。
一方、政府は2020年時点の温暖化ガスを1990年に比べて25%削減するとの目標を掲げてきたが、これを事実上撤回。30年で20%削減へと後退させた。
9月14日に開くエネルギー・環境会議(議長・古川元久国家戦略相)に示し、19日にも閣議決定する。