中国軍が尖閣問題で異例の声明 対日措置「エスカレート」で情勢緊迫

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対日強硬派が影響力の拡大に焦っている?

   もっとも、これよりも重要なのが中国側の要因だ。安田氏は、2012年10月に指導者交代を控えた共産党内部での権力闘争の可能性を指摘する。例えば9月1日以来、軍との関係が強いとされる次期指導者候補・習近平氏が、表舞台に全く出てこないという異常事態が起きており、重病説や暗殺未遂説すらも飛び交っている。「確かなことは言えませんが、党内や軍内の対日強硬派が、かなり焦って影響力の拡大を図っているのかもしれません。昨今の尖閣問題をめぐる、中国のややヒステリックな反応は、対日強硬派が『親玉』に掲げる習氏がなんらかのピンチに陥っていることの裏返しではないか、といった大胆な推理すらも可能です」(安田氏)。

   尖閣問題は、もともと中国としては日本の動向にかかわらず絶対に譲れない「絶対的正義」。党内や民衆の支持を繋ぎとめるために、中国のタカ派の指導者が「錦の御旗」として掲げがちな話題でもある。今秋、習氏が新政権の誕生にこぎつけたとしても、これまでの対日方針を踏襲するとは限らず、最悪の場合「落とし所」を探らずに対抗措置をエスカレートさせる可能性も否定できない。

   「実のところ、中国が『反日』的な政治方針を取る際に、日本側の動向が原因になるとは限りません。むしろ、彼らの政権内部の不安定さを反映している場合が少なくないのです」と安田氏は指摘する。相次ぐ反日デモの影で、共産党上層部の熾烈な権力闘争が進行しているのかもしれない。

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