富士フイルム、映画フィルム製造終了へ 「時代の流れとはいえ…」と惜しむ声

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   富士フイルムが映画用フィルムの製造を終了することが明らかになった。

   これで国内で映画フィルムを製造するメーカーは消滅したことになる。老舗フィルムメーカーも、デジタル化の波には逆らえなかった。

映画事業から撤退するのではない

   映画のデジタル化が進んでフィルムの需要が著しく減少したため、映画上映用・撮影用のカラーポジ・ネガ、白黒ポジ・ネガフィルム、デュープ用フィルムなどの製造を中止する。ただ、映画事業から撤退するのではなく、デジタルデータのアーカイブ用フィルム「ETERNA-RDS」、デジタル映像撮影現場向け色管理システム「IS-100」などの製造は継続する。

岩井俊二監督も残念がる

   富士フイルムによると、現在顧客と個別に最終注文などについて話を進めているところだという。今注文を取っている分と、現在ある在庫がなくなり次第販売終了とのことで、13年春ごろを予定しているそうだ。「ETERNA-RDS」、「IS-100」の製造は継続、デジタル化に対応した製品は残して映画業界に貢献していくと強調した。

   国内で映画用フィルムを製造しているのは富士フイルムの1社だけで、来春には国産映画用フィルムは消滅することになる。また、富士フイルムの映画用フィルム製造には80年近くの歴史があり、デジタルが主流となっているとはいえファンには少し寂しく感じるようだ。

   ツイッターでは、「これでまたひとつ技術が失われるのかなあ…悲しいなあ…」「デジタル化の流れは止められないとはいえ、フィルムの深みのある絵が無くなるのは残念ですね」など、製造終了を惜しむ声が上がっている。「スワロウテイル」などで知られる映画監督の岩井俊二さんも、「時代の流れとはいえ・・・・。今のデジタルメディアの落ち着きのなさを考えると、永久保存用にはむしろフィルムがいいように思えて来た今日この頃」とツイートしている。

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