「尖閣」足かせ、中国販売キャンペーン打ちづらく
トヨタは2015年をめどに中国での新車販売台数を、11年の約2倍にあたる180万台まで引き上げる方針を打ち出した。中国市場を担当する新美篤志副社長が、2012年9月6日に四川省成都市で開かれた自動車関係の国際会議で明らかにした。
トヨタの11年の中国販売は88万台。12年は100万台を目標としているが、すでに上半期に130万台を売ったVWとの差は小さくない。
とはいえ、中国市場は景気の減速感が出てきたことや、尖閣問題が足かせとなってキャンペーンなど大々的な宣伝・広告が打ちづらくなっている事情があり、トヨタには大きな「ハンデキャップ」になる。為替の円高が引き続き重荷になっていることもある。
一方、国内市場は7月に「ポルテ」、8月に「AURIS」を相次ぎ投入し、エコカー補助金の終了後の反動を最小限に抑えようと懸命だ。
トヨタは新型車の投入など、海外を含む今後の販売戦略については「公表しているものはない」が、下期の中国市場での巻き返しが「世界一」奪取のカギを握るとみられる。