サムスン今度はプリンターで攻勢 「iPhone用チップ」で日本メーカー追い落とし

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日本国内では「名前は聞いたことがありません」

   海外ではシェアを伸ばすサムスンも、日本国内では今のところ「無名」だ。調査会社BCNのアナリストに取材すると、コンシューマー向け複写機・複合機の市場で「サムスンの名前は国内では聞いたことがありません」と首をかしげた。事務所で使う複合機などのリースでもサムスンのモデルを探したが、こちらも見つからなかった。

   ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)が2012年2月2日に発表した2011年の複写機・複合機出荷実績は、国内向けが51万9938台、海外向けが339万5855台となった。8月1日付の日経産業新聞によると、国内シェア順位はリコー、キヤノン、富士ゼロックスが「3強」でこれにシャープが続く構図だ。ここでもサムスンは浮上してこない。

   エレクトロニクスメーカーがひしめき、「特殊な市場」と言われる日本にサムスンが複写機・複合機で本腰を入れて参入してくるかは不明だ。ただ世界を見渡すと、現状ではキヤノンやエプソンの後塵を拝しており、リコーや富士ゼロックスといった強敵もひしめいている。いずれも日本企業だ。ブルームバーグは、これら4企業の合計が2011年の世界シェアでほぼ5割を占めたとの調査結果を伝えた。

   市場自体の大幅な成長も望みが薄い。前出のIDCの調査によると、2011年の世界市場の成長率は前年比0.7%増にとどまった。国内市場も、JBMIAによれば前年比1.7%減と厳しい状態だ。パイが拡大しない中でシェアトップに立つには、必然的に日本メーカーから奪うしかない。

   日本メーカーも悠然と構えていては、薄型テレビの分野でかつて優位に立っていた企業がサムスンに追い落とされたのと同じ「悪夢」に襲われる可能性はある。

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