女児をバックに詰め込んでいたずらしようとしたとされる成城大男子学生(20)が女児アニメ好きと報じられたことを巡り、ネット上で激論になっている。犯行との因果関係は果たしてあるのか、といったことだ。
論議の導火線になったのは、日刊スポーツの2012年9月6日付記事だ。「小6カバン監禁男はプリキュア好き」などと大見出しを打ったことで、アニメ愛好者らからの強い反発の声がネット上に渦巻いた。
40年で強姦被害は10分の1に?
確かに、容疑者の男子学生は、ツイッターやブログなどでそうした嗜好を示していたようだ。しかし、だからと言って、それが犯罪に結びつくわけではないと言いたいらしい。
アニメ好きなどと結びつけようとした夕刊フジの6日付記事にも、激しい反発が起きている。「幼児性愛をテーマにしたゲームや漫画に刺激されて現実世界と混同し、犯行に及ぶケースがある」とする精神科医のコメントを紹介したからだ。
そんな中で、元国会議員政策担当秘書の中迎聡さんが6日、性犯罪増加はデータ的には見られないとツイートし、ネット上で注目を浴びた。
中迎さんは、「少年犯罪データベース」のサイトを運営している男性が集めたデータを紹介し、女児の強姦被害件数はむしろ減ってきているとした。それは、警察庁の犯罪統計書によるものだといい、1960年代中ごろに比べ、小学生以下の被害は、40年ほど経った2006年現在で10分の1ほどに減っているというのだ。06年は、小学生が46件、未就学児が3件としている。アニメなどの愛好者が増えたからといって、女児への性犯罪は増えているわけではないと言いたいようだ。
警察庁の広報課に取材すると、60年代中ごろの数値は確認できなかったが、06年の件数はその通りだった。2011年は、小学生が41件、未就学児が1件で、強姦だけ見れば、性犯罪は最近減っている。強制わいせつやわいせつ目的略取誘拐についても、ここ10年ほどは小学生以下の被害が減少傾向にはある。