ツイッター上の不適切な書き込みを発端にしたトラブルが相次ぐなか、慶應義塾大学の学生が、ツイートが原因で無期停学の処分を受けた。
大学側は、具体的にどのような書き込みが処分の対象になったかについて明らかにしていないが、2012年6月下旬にはツイッター上で「慶應に爆弾を仕掛けました」といった犯行予告が行われており、ネット上では波紋が広がっていた。
「不適切な書き込みを行った。これは断じて許されない恥ずべき行為」
処分は、9月1日付でキャンパス内に経済学部長と、同学部生が1~2年生に在籍する日吉キャンパス(横浜市港北区)主任の名前で「告示」と題して張り出された文書で明らかになった。文書の内容は
「このたび経済学部1年生が、ツイッター上に不適切な書き込みを行った。これは断じて許されない恥ずべき行為であり、厳正なる処分で臨むべき事と考える。よって、経済学部会議の決定に基づき、当該学生を学則第188条により処分(2012年8月13日から無期停学処分)を行った。塾生諸君も事の重大さを認識し、厳に自らの行動を律するように要望する」
というもの。学生の処分を発表する文書に「ツイッター」という固有名詞が登場するのはきわめて異例だ。処分の根拠とされる「学則第188条」は、
「この学則若しくはこれに基づいて定められた学内諸規則に違反し、または学業を怠り、気品を害ね、その他学生としての本分にもとる行為のあったものについては、懲戒として情状により譴責、減点、停学または退学の処分をする」
というもので、学則に定められた中では2番目に重い処分だということが分かる。過去に慶應大で学生に対して無期停学の処分が下された例としては、知人に暴力をふるって逮捕されたケース(後に示談が成立、起訴猶予処分)などがある。
「慶應に爆弾を仕掛けました。明日慶應行ったら死にます」
慶應義塾広報室では、
「今回の告示及び処分については、お答えいたしかねます」
といい、処分の原因になった「不適切な書き込み」の内容については明らかにしなかった。
だが、処分が決まる1か月半ほど前の6月25日深夜には、
「●×(編集部注: 元々の文章では実名)が慶應に爆弾を仕掛けました。明日慶應行ったら死にます。明日わ余裕で休校です」
というツイッターの書き込みが確認されており、書き込みの内容は、犯行予告の収集・通報サイト「予告.in」にも登録されている。 この爆破予告をした人物は、プロフィール欄で、横浜市内の中高一貫の男子校を卒業して、慶應経済に入学したことを明らかにしており、この爆破予告が無期停学の原因になったとの見方が有力だ。
なお、この爆破予告について慶應義塾広報室では、
「6月26日朝の時点で大学として把握し適切に対応を行いました。その詳細及び具体的な内容についてはお答えいたしかねます」
としており、警察に被害届を出したかどうかについては明らかにしなかった。