「野田首相なら100議席のところを、110とか115」
政治評論家の浅川博忠さんは、細野豪志氏がたとえ民主党代表に選ばれたとしても、自ずと限界があるとみる。
「すぐに解散しても、民主党は勝てないでしょう。ご祝儀相場でたとえ支持率が50%になっても、多少負け幅が少なくなるだけだと思います。確かに、若手議員を10~20人救えるかもしれません。しかし、野田首相なら100議席のところを、110とか115取れるぐらいでしょう。調査では、自民党が200議席ぐらいと、比較第1党になる結果がすでに出ていますから」
細野氏は、悩んでいるはずだと指摘する。
「たとえ首相になっても、一番長くて10か月そこそこの在任期間です。何もしない総理で終わるわけですよ。負けて責任を取らされることになれば、41歳の若さで過去の人になってしまいます。将来を考えると、安易には誘いに乗れないでしょう」
そもそも、細野氏が代表選に出馬しても、勝つ見込みがなかなか立たないという。
「選挙にある程度強い中堅以上は、自らが過去の人になる恐れがありますから、世代交代を嫌って、野田首相に入れる人も多いでしょう。細野氏は、若いだけでリスクもあります。それに比べ、野田氏は消費増税を通した実績や安定感があり、現状では、6対4の割合で有利だと思いますね」
細野豪志氏は、野田内閣の閣僚であり、現段階では政策の違いもはっきりしない。そんな中で、脱原発を目指す議員もいる反野田勢力をまとめて、うまくやっていくことができるかということもある。もし出馬するとしても、細野氏は、多くの試練を乗り越えなければならないようだ。