ハリウッド映画「バイオハザードV:リトリビューション」が2012年9月14日に世界同時公開されるが、出演した中国の人気女優の李冰冰(リー・ビンビン36)さんが尖閣諸島問題を巡り日本を非難し、日本での映画のPR活動参加を拒否するだけでなく、日本国内の同映画のポスターから自分を削除するように申し出ているのだという。
もっとも、配給するソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの日本法人によれば、もともとリーさんをポスターに使っていない、という。
「他の国の試写会には行くけど東京だけには行かない」
中国網日本語版(チャイナネット)が2012年9月4日付けで報じた記事によれば、リーさんは尖閣諸島は中国固有の領土だと表明し、9月3日に都内で開催された映画「バイオハザード」の試写会を欠席した。試写会にはポール・W・S・アンダーソン監督と、主演女優のミラ・ジョヴォヴィッチさんが出席している。
リーさんが欠席を決めたのは2ヶ月前で、リーさんのマネージャーは、
「他の国の試写会には行くが、東京だけには行かないと決めた。政治的な影響があったことは否定しない。私たちは中国政府と同じ立場に立っている。釣魚島は中国固有の領土である」
と答えた、と記事に書かれている。そして、日本版ポスターからリーさんを削除するように願い出たという。
日本での知名度は高いとはいえないが、意外なところで日本との関わりがある。2010年に「上海万博」が開催されたが、そのPRソング「2010年はあなたを待っている」が、日本のシンガーソングライター岡本真夜さんのヒット曲「そのままの君でいて」を盗作したと大騒ぎになったが、メインの一人としてそのビデオで歌ったのがこのリーさんだった。また、08年には中国国内で東芝のデジタル家電のイメージキャラクターになっている。
日本が嫌ならばなぜ「バイオハザード」に出演したの?
今回出演した映画「バイオハザードV」は、日本のゲームメーカーであるカプコンの大ヒットゲームシリーズ「バイオハザード」が原作で、配給もこれまで、例えばアメリカでは映画配給はソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの関連会社が行ってきた、「ハリウッド版日本製映画」と呼ばれるものだ。
ネットでは、来日を拒むだけでなくポスターから削除を求めるほど日本が嫌ならば、そもそも「バイオハザード」に出演した意味が不明だ、などとリーさんに対するバッシングが起こっている。また、ハリウッド映画ならPR活動も契約に含まれるはずだから、トラブルを起こせば二度とハリウッドでは使ってもらえない、と心配する声もある。
一方で、韓流スターと比べれば「潔よくて好感が持てる」などと評価する声もある。韓流スターは反日を隠して日本人にお愛想をし、韓国に帰れば大いに反日発言をする。それに比べればましだということらしい。
今回の報道が全て正確なのかどうかはわからないが、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの日本法人に話を聞いてみると、ポスターからの削除については、
「ポスターに使う予定はともと無いですし、もちろんポスターには彼女の写真などは掲載しておりません」
ということだった。記事に出ている情報はまだ入手していないため、答えることができない、という。