「ケータイ世代の歌姫」と言われる歌手、西野カナさんの新曲が話題だ。これまでの定番だった「会いたくて会いたくて震える」系のフレーズがない力強い歌詞で、ネットでは「西野カナが人間的に成長」といった声が挙がっている。
話題になっているのは2012年9月5日発売されるアルバム「Love Place」に収録されている「Be Strong」という曲。
歌詞が前向き「いつまでも泣いていられない」
楽曲自体はこれまでの西野さんの路線を踏襲した切ないメロディのバラードだが、今回注目されているのが歌詞だ。「Be Strong」というタイトルからして前向きで、
「いつまでも泣いていられない」
「一人でもきっと歩いていけるから」
とかなり力強い。恋愛に傷つきながらも、過去を引きずらないでしっかりと前を向いて歩いていこう、という歌詞だ。これまでの楽曲同様、西野さん自身が作詞した。
西野さんといえば「会いたくて 会いたくて 震える」といった歌詞だ。代表曲「会いたくて 会いたくて」には勿論のこと、他の数多くの楽曲に「会いたい 胸が痛いよ」(「missing you」)、「もし生まれ変わっても 君に会いたい」(「You are the one」)、「今すぐ会いたい」(「もっと…」)といったフレーズが出てくる。
これまでも「会いたい」系の歌詞のない曲は時折あったが、「Be Strong」は2ちゃんねるやツイッターで特に注目を集め、「西野カナが人間的に成長」「震えが止まった」といった感想が寄せられた。
冬になればまた震えが始まる?
また、これまでも失恋をテーマにした歌詞はあったものの、「どんなに不安でも我慢していたら 今でも側にいてくれたのかな?」(「たとえどんなに…」)、「キミとの思い出 忘れない」(「失恋モード feat.WISE」)などと未練がましい歌詞が多かった。そのため、「Be Strong」について「やっと吹っ切れた」「会えなさすぎて我慢強くなったのか」という見方もあった。
ただ、今回の曲はホンダのCMに起用されている。CMのキャッチコピー「強くなれ、進め、わたし。」に合わせて西野さんが歌詞を書いたという可能性もあり、「冬になればまた震えが始まる」という説も有力だ。
西野さんのように恋愛の辛い経験を一人称の歌詞で歌うスタイルは「ギャル演歌」と呼ばれる。西野さんの心情にどのような変化があったのかは不明だが、 ギャルのためのエンタメサイト、GRP(ギャル・リサーチ・プレス)編集長のまぁ~ささんは
「2009年ごろは西野カナさんや加藤ミリヤさんのような切なくて、ある意味病んだ歌がギャルに支持されていて、カラオケで感情移入しながら歌うという感じでしたが、最近はAKB48やゴールデンボンバーのような元気でテンションの上がる『アゲソン』も人気。そういうことも影響しているのでは」
と話していた。