米国務省では「性奴隷」という表現も併用
米国内では、ほかにも慰安婦問題に関する「広報活動」が行われている。8月7日付の韓国・聯合ニュースは、テキサス州ヒューストンの高速道路の出口付近に、慰安婦問題に日本政府の謝罪と賠償を求める大型の看板を設置したと報じた。在米韓国人の寄付によるものだ。
米国務省のヌランド報道官は8月16日、慰安婦を表す「comfort women」のほかに、「性奴隷」を意味する「sex slave」という語句も合わせて使っていくことを明らかにした。「性奴隷」では無理やりに従事させられたというトーンが強い。これまでもふたつの語句が使用されていたようだが、公的な表現として今後も「性奴隷」が採用された点は、米国のこの問題に対する立ち位置が読み取れる。
現職の米議員の中には、慰安婦問題に積極的に取り組む人がいる。日系3世のマイク・ホンダ下院議員は2007年、日本政府に公式の謝罪を求める決議案を提出、議会で可決させた。先月、ホンダ議員はこの問題で同調するエニ・ファレオマバエガ下院議員とともに訪韓し、元慰安婦が住む施設を訪ねた。聯合ニュースの取材に「国際社会の関心を高めていく」との決意を語っている。
慰安婦問題に関する韓国の主張が、人権侵害に敏感な米国をはじめ世界各地で浸透した場合、日本は苦しい立場に追い込まれることになりそうだ。