韓国「慰安婦問題」米国でアピール 「人道上の罪」への批判広がる可能性

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   韓国の李明博大統領が2012年8月に島根県・竹島を訪問して以来、日韓関係は一気に冷え込んでいる。竹島問題とともに二国間の壁となっている大きな懸案が、いわゆる「従軍慰安婦」問題だ。

   近年、韓国は米国を中心に慰安婦問題を積極的にアピールしている。国際社会が人権問題として取り上げ、日本に厳しい目を向ける可能性もある。

韓国系米国人住民が半数超の街で碑を建立

「人類の普遍的価値に反する行為」

   李大統領は2012年8月15日、日本の植民地支配からの解放を祝う「光復節」での演説で慰安婦問題を取り上げ、そう断じた。

   数日前、自ら足を運んだ竹島については一切触れず、慰安婦問題での日本政府の対応を厳しく批判したのだ。

   野田佳彦首相は8月27日の衆院予算委員会で、1993年に当時の河野洋平官房長官が「心からのおわびと反省」を表明した談話について、歴代政権同様に踏襲するとした一方で、慰安婦自体は「強制連行したとの事実を文書で確認できず、日本側の証言も確認できない」と話した。韓国側はこれに猛反発し、両国関係はさらに緊迫化している。

   近年、韓国は海外で慰安婦問題の「PR活動」を強化してきた。象徴的な出来事のひとつが、米国での「慰安婦碑」建立だ。2010年、米東部ニュージャージー州パラセイズパーク市に建てられた碑には、「日本の植民地時代に20万人を超える女性、少女が慰安婦として日本軍に連れ去られた。これは人権侵害だ」とつづられている。このパラセイズパーク市は、韓国系米国人の街と言っていい。地元のニュースを主に扱うオンラインメディアの調べでは、2010年の国勢調査で韓国系の占める割合は52%に達したという。

   2012年には、ふたつ目の碑が完成した。場所はニューヨーク州ウェストバリー市にあるアイゼンハワーパークという公園内だ。韓国の有力紙、東亜日報(日本語電子版)は2012年6月18日、ニューヨーク市の市会議員やニューヨーク韓国人会も碑の建立に積極的で、今後米国各地で増える見込みだと伝えている。

   2012年5月18日付の米ニューヨークタイムズ紙(電子版)は、日本の代表団が2度にわたってパラセイズパーク市を訪れ、市長に碑の撤去を求める「直談判」をしていた様子を伝えた。最初は在ニューヨークの廣木重之総領事の一行で、日本政府の要望として碑を撤去してもらう代わりに桜の植樹、図書館への本の寄贈を提案したという。2度目の訪問者は4人の自民党国会議員で、「慰安婦は強制的に『性奴隷』にさせられたわけではない」と主張した。現時点では、いずれの要請も聞き入れられていない模様だ。

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