サイボーグ化される「奇跡の一本松」 1億5000万円もの費用に疑問の声

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寄付金借用で災害復旧に支障が出る?

「これだけの高さの木を保存するのは、世界でも例がないことだと言われています。工事はとても困難で、複雑な構造計算が必要なうえ、特殊な工法を使わないと、強度を保つことができないんですよ」

   そのため、一般競争入札は行わず、2社の提案を比較検討し、東京が本社の業者と随意契約する準備を進めているとした。業者名や技術内容については、2012年9月5日の会見で公表するとしている。

   陸前高田市の都市計画課によると、募金は、8月末までに2200万円が集まった。もちろん、これではとても足りず、当座の資金として、市の「東日本大震災絆基金」から一時的に借用する考えだ。

   絆基金は、災害復旧・復興のため市がホームページなどで募っている一般からの寄付金4億円余が積み立てられている。用途はまだ決まっていないが、道路や住宅の整備などに使われる可能性がある。一本松の保存工事にはあと1億円以上足りず、もし基金のお金がその分借用されるなら、災害復旧などに支障が出ることにはならないのか。

   この点について、市の財政課では、こう説明する。

「災害復旧などについては、国からお金が出ており、当面はそれで賄えます。5~10年は大丈夫と考えており、すぐに支障が出ることはないと考えています」

   寄付金の目的外使用に当たらないかについては、「寄付金をそのまま充当すれば、確かにその通りになります。しかし、一時的な借り入れですので、目的外使用には当たらないと思います」と言っている。

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