シャープ株、取得価格「1株550円」が6割超す下落
一方、当初は郭台銘董事長がシャープとの資本提携の交渉状況について説明するとみられていた記者会見には、戴正呉副会長が「代役」として立ち、「急な予定があるためここ(SDP)を離れた」と説明した。
シャープとの資本提携については「お互い前向きに話し合いを進めている」と、協議が続いていることを強調しながらも、「(交渉は)最終的な段階になっていない。できるだけ早い時期に答えを出したい」と、合意時期については明言しなかった。
そもそも、今回の協議のきっかけはシャープの株価が急落したためだ。シャープと鴻海が3月27日に資本提携を発表した時点では、鴻海が1株550円の取得価格で9.9%の比率まで出資し、2013年3月までに筆頭株主になるはずだった。
シャープ株が当時から6割超も下落したため、取得価格や出資比率を見直さざるを得なくなったわけだ。
シャープ株の下落について、鴻海の戴副会長は8月30日のSDPでの記者会見で、「株価より業績改善が重要。鴻海はこれからも全力でサポートする」と述べた。
しかし、提携交渉の結論が持ち越されたことで、翌31日のシャープ株は売り気配で始まり、一時195円まで急落。終値では前日比29円安の198円で引けた。