米アップルがスマートフォン（多機能携帯電話）の「iPhone（アイフォーン）」などに使われている同社の特許を侵害されたとして、日本サムスンとサムスン電子ジャパンを相手に1億円の損害賠償を求めた訴訟について、東京地裁は2012年8月31日、サムスンによる特許権侵害を認めず、アップルの請求を棄却する判決を言い渡した。
アップルとサムスンの特許訴訟は世界10か国で争われており、日本での判決は今回が初めて。
アップルが問題視していたのは、スマホなどをパソコンに接続して音楽などを取り込む際に、双方の情報を一致させる技術で、サムスン製のGALAXY（ギャラクシー）のスマホとタブレット端末の計8機種が特許を侵害していると主張していた。
東京地裁はサムスン側の技術について、「アップルの発明の技術的範囲に属するとは認められない」として、特許権の侵害には当たらないと判断した。
この判決を受け、サムスン電子ジャパンは同日、「判決は当社の主張の正当性を認めたものであって、極めて妥当なものと考えております」とするコメントを発表した。
また、アップル側がサムスンに商品の輸入、販売の差し止めを求めを地裁に申し立てていた仮処分が却下されたことも明らかにした。