優勝のために「200億円投資」を実行 経営破綻したドジャースが打った「勝負手」

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「信じられないこと」起こすのが野球人気を保つ秘訣?

   ドジャースといえば昨年「経営破綻」したことで話題になったばかり。前のオーナーが夫婦ケンカしたことが原因の一つという信じられない話で、ヤンキースやジャイアンツと並ぶ名門の名を汚したといわれたものである。新たな経営者は投資家グループだが、その中にプロバスケットボール(NBA)のスーパースターで知られたマジック・ジョンソンがいることで注目を集めた。

   異なるリーグのトレードは8月いっぱいまで。これを「フラッグシップトレード」と呼ぶ。優勝可能のチームが残り1ヶ月のために補強するからで、接戦している財力のある球団はよくやる補強作戦だ。

   このような大胆な投資がファンの関心を呼び、野球人気を盛り上げる要素となる。信じられないことを強行するから興味が湧く。そして話題になる。日本ではとうてい出来ない荒技である。イチローがシーズン中にトレードされたとき、日本では大騒ぎだったけれども、米国では単なる移籍。一夜で200億円が動く。それが大リーグの本当の顔、ビジネスの世界なのだ。

   驚いたといえば、通算354勝の大投手ロジャー・クレメンスが独立リーグと契約し、同じ25日に登板した。おとなしくオファーを待つ松井秀喜とは対照的である。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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