うどん、ケーキなど年末に値上げか 米国の干ばつ、小麦価格に影響

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消費生活への影響は限定的

   民間の大手製粉会社は2、3カ月分の小麦の備蓄があるため、10月からの売り渡し価格の引き上げが、ダイレクトにうどんや菓子などの値上げに結びつくとは考えにくい。農水省は「うどんや菓子などの製品価格に占める小麦の割合を考えると、消費生活への影響は限定的とみている」とコメントしている。とはいえ、菓子用の小麦には年末にかけて需要が高まるケーキやビスケット用なども含まれており、今後の価格動向は気になるところだ。 小麦よりも一足先に、高騰が続く大豆やトウモロコシを原料とする食用油や、トウモロコシが乳牛の飼料となるバターは値上げが相次いでいる。小麦の政府売り渡し価格は2008年10月に過去最高の1トン当たり7万6030円に上昇しており、この時は食パン、即席めん、スパゲティーなどが1~3割程度も値上げになった。

   当時に比べれば、今回の5万130円はそれほどの高価格とはなっていない。農水省が「在庫から見て、小麦の需給は適正水準にある」とコメントしているのも安心材料だ。しかし、56年ぶりとされる米国の干ばつでトウモロコシと大豆の国際価格が高値で推移しているほか、小麦は欧州やロシア、インドでも天候の影響が懸念されている。世界的な金融緩和の下、シカゴ市場などの投機マネーは実需以外の材料で動くため、今後とも穀物価格の動向は楽観が許されない。

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