中国の「尖閣は日本の領土」という記述 ブログも「ツイッター」も削除

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   「中国政府はかつて尖閣諸島が日本の領土と認めていた」という内容が掲載されている中国のブログ記事と、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」の書き込みが削除された。

   中国では政府にとって都合の悪いキーワードで検索しようとすると接続が遮断されるなど、厳しいインターネット検閲があり、今回も検閲によって削除されたとして話題になっている。

「中国の地図に日本領土と標記されている」

   中国広東省の電子サービス企業幹部・林凡を名乗る人物が2012年8月24日午前、「琉球群島は尖閣諸島などの島嶼(とうしょ)からなる」と書かれた1953年の人民日報の記事を、当時発行された地図の画像と共に微博に掲載した。「50~60年代の中国の地図には『尖閣群島』と書いてあり、しかも日本領土と標記されている」「これでも釣魚島は中国の領土と言えるのか?」などと書き込んだうえ、林氏のブログでも地図の画像を多数掲載し、かつて中国が尖閣諸島を自国の領土と見なしていなかった、と訴えた。

   林氏の書き込みを見た中国のネットユーザーは、「尖閣諸島が日本領土であることは疑う余地がない。1970年以前は一度も『尖閣が中国領』などと言ったことはない」「あの地図は中国政府の発表ではないと証明されている」などさまざまな意見を述べつつ、書き込みを拡散させていった。

   林氏の微博での一連の書き込みは8月25日17時過ぎに全て削除されたという報道が一部で出ている。また、ブログ記事は8月27日12時30分の時点では閲覧できたが、13時20分頃確認したところ、削除されていた。

あえて放置か、検閲官が休みを取っていただけか

   中国のインターネットには検閲システムが適用されている。検索エンジンで「天安門事件」や「チベット独立」、「反共産主義」などについて検索しようとすると、そのユーザーがブラックリストに入れられてしまうほか、政府批判などの書き込みはほぼ数分で消されてしまう、という。今回ブログ記事と微博の書き込みが削除されたのも、検閲が適用されたためと思われる。

   しかし今回は書き込みから削除に至るまで24時間以上経っており、中国の検閲にしては動きが遅かったという印象だ。このため、日本のインターネット上では「中国共産党があえて放置したのでは」「当局がわざと流して『琉球を取り戻せ』という世論を作ろうとしたのでは」といった憶測が書き込まれている。

   一方ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は2012年6月、検閲官が週末に休みを取るためか、微博の書き込みの削除件数は土曜日が比較的少ないと報じている。今回は単に微博をチェックしている人が休んでいただけという可能性もある。

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