政府のエネルギー政策、「原発」明示せず 「30年目標」は解散含みで玉虫色に

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当初は「原発15%」を支持

   エネルギー・環境会議が示した選択肢は、30年時点の原発比率を「ゼロ」「15%」「20~25%」とする3つだ。政府内では細野豪志原発事故担当相が「15%が軸となる」と語るなど、当初は15%案を支持する声が多かった。これは新たな原発の建設を認めない一方で、今ある50基強の原発には「原則40年で廃炉」の基準を適用する案で、「脱原発」を緩やかに進める考え方だ。短期的には停止中の原発の再稼働も可能なことから、これ以上の電気料金値上げなどにつながることを懸念する経済界にも容認する声があった。

   しかし、同会議が7月から8月上旬にかけて全国で実施した意見聴取会では、参加者の7割以上が原発ゼロ案を支持。報道各社が8月上旬から中旬にかけて実施した世論調査では、朝日新聞と共同通信の2社の調査でゼロ案が最大となり、それにともなう電気料金の値上げなどはやむを得ないとする声が多かった。

   枝野幸男経産相はこうした情勢を受け8月上旬、インターネット番組で「30年に線を引くと決めているわけではない」と2030年の期限にこだわらない姿勢に転換。玄葉光一郎外相も、地元・福島県での講演で個人的な見解として「40年時点で原発ゼロ」案を提示したほか、エネ環会議を主催する古川元久国家戦略担当相も21日の会見で「原発ゼロを目指したい」と発言し、30年の期限にはこだわらないとする声が一気に広がっている。

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