中国不動産バブル崩壊の危機 オフィスビルや商業施設が「ゴースト化」

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中国も「省エネ住宅」を政策支援?

   前出のニッセイ基礎研究所の三尾氏は、「現状では不動産価格がバブル化したのは浙江省などの一部で、北京市や天津市などは横ばいから2~3%程度の上昇にとどまっています」と話す。

   その半面、中国の賃金上昇率は前年度に比べて13.1%も伸びているので、浙江省のように住宅価格の上昇(17~18%増)がそれを上回らなければ、十分に購入できる価格水準にあるし、価格の下落はこれから購入しようという人にはむしろ買いやすくなっている。

   「中央政府は投機的な動きは抑えようとしていますし、そのためにはある程度の価格下落も許容しているようです」と、三尾氏はいう。

   住宅市場が動けば、結果的に消費も増え、景気回復に大きく寄与する。しかし一方で従来型の財政支援策、つまり道路や「ハコモノ」といった公共投資では立ち行かなくなることも中央政府はわかっている。三尾氏は、「現在、中国は省エネや環境保護、バイオなどを『戦略的新興産業』に位置付けており、省エネ住宅などに向けた政策支援を打ち出していく可能性が高いでしょう」とみている。

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