韓国非難決議に社民、共産、大地が反対 相手を利することにならないか

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   韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が竹島(韓国名・独島)への上陸を強行した上、天皇陛下の訪韓をめぐって謝罪を要求したことをめぐり、衆議院は2012年8月24日午後、抗議決議案を賛成多数で採択した。

   決議案は民主、自民、みんなの党が共同で提出し、公明党と「国民の生活が第一」が賛成したものの、全会一致ではなかった。与野党から政府に対する「弱腰批判」が強まる中、反対した政党の理屈はいったい何なのか。

「不法占拠を韓国が一刻も早く停止することを強く求める」

   竹島について決議案は、

「不法占拠を韓国が一刻も早く停止することを強く求める」

   一方、李大統領の謝罪要求については、

「友好国の国家元首が天皇陛下に対して行う発言として極めて非礼な発言であり、決して容認できないものであり、発言の撤回を求める」

とした。また、

「わが国は、韓国を重要な隣国として認識していることは変わらず、韓国国民と親密な友誼(ゆうぎ)を結んでいくことができると引き続き信じている」

と、韓国との外交関係の重要性も強調している。

   なお、尖閣諸島に香港の活動家らが不法上陸したことについて抗議する決議案も、同様に賛成多数で採択されている。竹島をめぐる国会決議が採択されたのは1953年以来59年ぶりで、尖閣諸島についての決議は初めて。

共産党「過去の植民地支配の根本的な清算を」

   決議案は「起立多数」で採択されたため、正確に何人が反対したかは明らかではないが、いずれも共産党、社民党、新党大地・真民主などが反対に回っている。

 

   共産党の志位和夫委員長は、8月23日の記者会見の中で、

「冷静な外交的交渉によって解決することが求められているのに、逆に緊張を激化させる」

などと反対の理由を説明。その上で、

「過去の植民地支配の根本的な清算を日本側がしっかり行い、冷静な話し合いの土台をつくることが何より大事」

と話し合いを続けるように求めた。社民党も同様で、重野安正幹事長が、

「熱くなってけんかをしても良い結論は出ない」

と、決議がさらに両国の緊張を高めるとの見方だ。

   新党大地・真民主は、若干方向性が違っている。まず、尖閣に関する決議は不要だと主張している。その理由は、竹島の事案は国家が行ったのに対して、尖閣の事案は国家が行ったものではない、というものだ。李大統領の謝罪要求についても、大統領の発言は報道ベースでしか伝わってきていないとして、

「韓国政府が正式に確認していない内容について、日本国の国権の最高機関が議決を行うのは、国際的に見て品位に欠ける」

と、国会で扱うことには否定的だ。その上で、竹島に関する決議案の内容は(1)竹島問題の解決に全力を傾注する(2)「竹島の日」を定める、の2点にしぼるべきだとしている。

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