国内建設投資はバブル期から半減
異例ともいえる今回の異業種買収実現は、成長が続くアジアなど海外で事業展開をしない限り、生き残りの道はないという現実を内外に強く印象付けた。国土交通省によると、2010年の国内の建設投資額は約41兆円で、ピークだったバブル期の半分程度に過ぎない。
東日本大震災による復興需要で現在は比較的好調さを維持する建設・住宅市場だが、復興一巡後に来る厳しい需要減は避けられない。こうした現状の中、準大手ゼネコンのハザマと安藤建設が5月、来年4月に合併すると発表するなど、ゼネコン業界には再編の波が着実に押し寄せている。
特に「将来的に、規模が小さいゼネコンの淘汰は必至」との見方が強く、「業界が異なるとはいえ、大和ハウスによる買収はフジタにとっても渡りに船だったのでは」(業界関係者)との声も出ている。建設・住宅業界の多様な再編が続くかもしれない。