大和ハウスがフジタを買収した理由 異業種の合従連衡で海外めざす

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   住宅メーカー大手、大和ハウス工業が、準大手ゼネコンのフジタを買収し、12月に完全子会社化する。2012年8月10日発表した。少子高齢化で国内の建設・住宅市場が先細る中、大和ハウスは海外事業で強みを持つフジタを傘下に抱えることで、海外市場を開拓したい考えだ。住宅メーカーがゼネコンを買収するケースは極めて異例だが、今後、異業種間の合従連衡が広がる可能性もある。

東南アジア中心に住宅やマンション

   大和ハウスは、米金融大手、ゴールドマン・サックス系の投資会社からフジタの発行済み株式のすべてを約500億円で買い取る予定。フジタの社名は変更せず、従業員の雇用も維持する。

   フジタはバブル期の積極投資で経営が悪化し、2005年にゴールドマンの傘下に入り再建を進めている。2012年3月期の連結売上高は約3100億円で大手ゼネコンには及ばないが、中国やベトナムなど東南アジアに事業拠点を築き建設・土木事業を展開。この結果、海外の売上高は約400億円に上り、ゼネコン業界でも海外事業に強いとされている。

   一方、大和ハウスの2012年3月期の連結売上高は約1兆8500億円で、戸建て住宅やマンション事業など幅広い事業を展開しているが、海外の売上高は約130億円にとどまる。記者会見した大和ハウスの大野直竹社長は「グローバル展開が急務で、タイムリーなM&A(企業の合併・買収)だ。東南アジアや中国、台湾などの市場を広げたい」と述べ、今回の買収で海外事業強化に弾みをつけたいとの狙いを強調した。

   今後、大和ハウスはフジタと連携して、東南アジアを中心に住宅やマンション建設事業を拡大するほか、中国などで工業団地の販売も強化する計画だ。フジタの土木事業の活用で、海外でも差別化を図れる可能性があると見ており、大和ハウスは3~5年以内に海外売上高を1000億円規模に伸ばしたい意向という。

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