広報アドバイザーを名乗る人物がブログで、店員が店内を走る子供を怒鳴る場面に出くわした、と書いた。これは接客業としてやってはいけない行為だから、この店員にもう一度基礎から研修させるべき、としたところ「迷惑行為の子供を叱って何が悪い!」などと批判が殺到しブログが「大炎上」した。
また、「販売員ならだれでもなれる」という職業蔑視とも取れる表記があったため、火に油を注ぐ形になった。
「この店員を野放しにすするなら買い物はしない」
筆者のプロフィールには、繊維業界の川上から川下まで担当する業界紙記者などを経て、現在はライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負っていると書かれている。
炎上したのは2012年8月22日にアップされた「一体店員にどんな指導をしているの?」というタイトルのブログ。大阪にある「無印良品」の名前が実名で記されていた。
内容は、店内で「走るな!」という男性の威圧する声が聞こえたため、声のする方向に目をやると、小学校低学年の男の子二人を睨みつける20代後半~30代前半くらいの男性がいたのだという。初めは父親か親戚のオジサンかと思っていたが、それが店員であることがわかって驚いた、という。いくら目に余る様子だからといって、店員が怒鳴るのはおかしいし、今回の場合はそれほど子供が騒いでいない。
「この店員がたまたまイラついていただけかもしれないが、これは接客業としては失格である。良品計画はもう一度この店員に基礎から研修を受け直させるべきだろう」
と書いた。
さらに、日本では販売員は下に見られがちな職種であり、応募する側も「販売員ならだれでもなれる」。店側も品出しとレジ打ち、おたたみくらいを覚えてくれればいいという軽い気持ちがあるため、このような店員をたまに見ることがある。そしてこの店員を野放しにしておくのなら、この無印良品で買い物をすることは 今後ないだろうと締めくくった。
「むしろ素晴らしい店員だ」と反論多数
すると、このブログに書かれていることが許せないとネットで騒動になり、筆者のブログと「ツイッター」に批判が殺到「大炎上」することになった。このブログはポータルサイト「ライブドア」にも配信されていて、ここではコメントが23日の夕方までに1800を超えた。
「あんたが書かなきゃいけないことは、店内で子供が走り回っているのに注意しない親の方だろ」
「うるさいガキ、それを野放しにする親、なにもしない店員に、客はうんざりしているのですよ」
「走りまわっている時点で迷惑な客。子供は注意していることを理解させなければ反省しない。威圧した声で注意するのは当然。むしろよく教育されたすばらしい店員」
などというコメントが並んだ。
筆者は今回のブログへの批判の多さに驚いたのか、
「今回のブログで多くの方々に誤解を与えたことはお詫び申し上げます」
などと23日の昼過ぎに謝罪文を掲載した。ただし、販売接客業は「怒鳴りつける」という手段を採ることは原則ない、などと付け加えた。
ブログは一部が書き換えられ、本文から「無印良品」の名前を消した。そして、23日夕までにこのブログは削除されてしまったのか、現在はアクセスできなくなっている。