農林水産省は、国が輸入して民間の製粉会社に売り渡す小麦の価格を、2012年10月1日から主要5銘柄平均で3%引き上げると、8月22日に発表した。米国産やオーストラリア産などの平均価格は1トンあたり1350円上がり、5万130円となる。
値上げは11年10月の2%以来、2期ぶり。米国の干ばつの影響などでトウモロコシや大豆などの穀物価格は高騰が続いており、それに連動して小麦の国際価格も7月以降に急上昇している。それを反映した。
主要5銘柄のうち、うどん、菓子用の米国産など2銘柄を8%引き上げる。一方、カナダ産などパンや中華めん用の3銘柄は据え置いた。
小麦は、安定供給を目的に国が輸入し、購入価格に一定額を上乗せしたうえで製粉会社に売り渡している。この売り渡し価格は、直近6か月間の買い付け価格の動向を踏まえて、毎年4月と10月に見直している。
日本は小麦の需要の約9割を輸入している。