野田佳彦首相が韓国の李明博大統領宛てに送った親書を、韓国が送り返す方針だという。
「友好国の間では今まで聞いたことがない」ほど非礼で、日本を侮辱する行為に、怒りが爆発している。
「竹島でなくて独島を訪問したから、返答の必要なし」
韓国の通信社「聯合ニュース」は2012年8月22日、李大統領の竹島上陸や天皇陛下への謝罪要求発言に遺憾の意を表明した野田首相の親書について、韓国の青瓦台(大統領府)が返送を有力な案として検討していると報じた。青瓦台高官は取材に対し、「国際法と外交の専門家らの意見を総合した結果、大統領が野田首相の親書を受領して返答すること自体がふさわしくないとの意見が大多数だった」「李大統領が竹島を訪問した事実はなく、韓国の領土である『独島』を訪問した。事実が間違っているものに返答すること自体が矛盾だ」と答えたという。
8月23日付の読売新聞朝刊は、政府が「あり得ない非礼な対応だ」と受け止めていると報じている。また、外務省幹部の一人が「韓国が異例の対応をするのは、日本の抗議に対し、動揺している証拠ではないか」と話したという。
同じ日の産経新聞朝刊では、外務省幹部の「友好国の間では今まで聞いたことがない」、政府高官の「韓国国内はそういう雰囲気なんだろう」という声を紹介している。
「日本に対する侮辱以外の何ものでもない」
前代未聞の非礼な態度に対し、インターネット上では怒りの声が噴出している。
ライブドアの「BLOGOS」では、元外交官の佐藤優氏が「首相の親書を送り返してくるということが外交的に持つ意味は、日本国家と日本国民に対する侮辱以外の何ものでもない」と憤りを露わにしている。国会が竹島返還運動を全国的に展開すべきなどとする「竹島返還に関する国会決議」の採択をし、韓国大統領、国会議長に決議文の韓国語訳を渡すべきだと提案した上で、「情けないことに、どうも国会議員の大多数は、日本国首相の親書が送り返されることが持つ深刻さをよくわかっていないようだ。今は内輪揉めをしているときではない。韓国の横暴な対応に、国家と国民が一体になって反撃しなくてはならない」と述べた。
コンサルティング会社代表の山口巌氏は、「何処までも愚劣極まりない韓国大統領」と非難し、武藤正敏駐韓国大使が22日夜にソウルに帰任させたことを「日本外交の大失態」と激しく批判。そして日韓通貨スワップ協定の破棄、韓国国債新規引き受けの停止と保有する韓国国債売却などを提案した。
ツイッターでは、早稲田大学名誉教授の吉村作治氏が「こんなことって外交上あり得ません。もう国交断絶状態と言っても良いでしょう。まず在韓日本大使を召還してほしいですし、在日韓国大使に国外へ出てもらうべきです。テレビ局も韓流ドラマを全てやめ、在韓日本人は帰国すべしです」と強い口調で訴えている。
また、脳科学者の茂木健一郎氏は「日本が韓国に送る親書が『竹島』という名称を使用することは当然のことで、そのことをもって、親書を返送するという愚に至っては、外交などできない。李明博氏が迷走しているのは理解できるとして、韓国外務省のテクノクラートたちは、なぜこのような失態を許すのか?」と疑問を呈した。