「原子力発電所の運転再開を議論する前に安全性を確認することが何より重要だ。夏場の経験を点検しながら、泊原子力発電所(北海道泊村)の停止の下でいかに冬場を乗り切るか次の一手を考えたい」
北海道の高橋はるみ知事は2012年9月15日(土曜)午前9時に放送予定のラジオ日経「夢企業探訪」の収録でこう強調した。
寒さが最も厳しい2月には大幅な電力不足?
北海道では暖房や融雪など冬に電力需要が多く、電力使用のピークが来るが、供給の主力を担う泊原発1-3号機の全停止が続いている。高橋知事は「節電や計画停電は生活に与える影響が大きい」として慎重な態度を示したが、政府が原発再稼働の是非を判断するのは9月に設置する原子力規制委員会が決める安全基準を待ってからとなるため、泊原発の再開を前提にしないで冬の電力対策を考える姿勢を示した。
北海道電力では小型発電機の追加設置など危機回避策を検討しているが、火力発電は冬季には故障などで供給力が落ちるため、寒さが最も厳しい2月には大幅な電力不足が見込まれる。このためなんらかの節電要請は不可避で、2010年比10%前後の節電は必要という見方も出ている。