米国トウモロコシ価格高騰、エタノール燃料に使うな!

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

エタノール燃料「規制」で飼料や食料に回らない

   米国は原油の輸入依存度を引き下げることなどを目的に、エタノール燃料の使用量を2015年に150億ガロン(1ガロン=約3.78リットル)まで増やすよう義務付ける規制を設けている。

   エタノール燃料をガソリンの「代替燃料」にしようというわけだ。2011年には全米で生産するトウモロコシの約38%をエタノール燃料向けに消費した。

   トウモロコシが畜産飼料や食料に回らなくなった背景には、こうしたことがある。

   国連は、米国にエタノール生産の即時差し止めを求めた。フランスやインド、中国など主要20か国・地域(G20)も、米国のエタノール燃料政策への懸念を表明している。

   国連食糧農業機関(FAO)は、米国は干ばつでトウモロコシの生産量が激減したにもかかわらず、12年も生産量の約40%が規制に基づいてエタノールの精製に転用される見通しであると警告している。

   8月10日付のフィナンシャル・タイムズ紙に寄稿したFAOのグラジアノ・ダシルバ事務局長は「規制で課したエタノールの使用量を即時差し止めれば、市場価格の騰勢は一服し、食料や飼料に回るトウモロコシが増える」と主張した。

   こうした動きに、米環境保護局(EPA)もようやく重い腰を上げたようで、8月21日にはエタノール燃料規制の見直しに着手したことが伝えられている。

1 2
姉妹サイト