食料自給率、2年連続40%割れ コメや魚介類の生産減が響く

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   農林水産省が2012年8月10日に発表した2011年度の食料自給率(カロリーベース)は、前年度と同率の39%だった。自給率が40%を切るのは2年連続だが、東日本大震災や原発事故の影響で、自給率がさらに悪化する懸念もあっただけに、なんとか現状を維持した格好だ。

   東日本大震災の影響でコメの需要と魚介類の生産が減り、自給率のマイナス要因となったが、前年度に比べ小麦の生産が好天で回復したため、自給率の低下に歯止めをかけることになった。

過去2番目に低い水準

   結果的に前年度と同率の39%となったが、厳密には2011年度は38・62%。前回発表(10年度)の速報値38・51%は上回ったものの、確定値38・82%は下回った。四捨五入すればいずれも39%になるが、冷夏によるコメの大凶作という特殊要因で過去最低となった93年度の37%に次ぎ、過去2番目に低い水準であることに変わりはない。政府は2020年度までに食料自給率を50%に引き上げることを目標としているが、実現は困難な情勢となっている。

   日本の食料自給率は1960年の79%をピークに長期的な低下傾向が続いている。これは「ご飯を食べる量が減り、肉などのおかずをたくさん食べるようになった」(農水省幹部)という日本人の食生活の変化が大きく影響している。

   日本の食料自給率の低下は、カロリーの高い主食のコメの消費が減った影響が大きい。日本人のコメ離れから、コメの需要は長期低下トレンドが続く。2011年度は震災直後にコメの買い占めなど一時的に需要が増えた半面、その後はその反動で需要が減った。魚介類は三陸沖のホタテ貝、カタクチイワシ、ワカメなどの漁獲量が減ったことが自給率の減少要因となった。

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