アジア重視で空の自由化急ぐ
日本がオープンスカイ協定を結んだのは、2010年10月の米国を皮切りに今回の中国で計18カ国・地域となる。わずか2年弱の間に、これほど締結国が増えたのはなぜか。その背景には、日本国内が少子高齢化で成長の限界に直面する中、「アジアの成長力を取り込むことで、日本の活性化につなげたい」との狙いがある。
オープンスカイ協定の締結で特に力を入れているのは東アジアとASEAN(東南アジア諸国連合)各国だ。既に韓国やシンガポール、マレーシア、香港、ベトナム、インドネシアなどとの締結を実現している。いずれも人口増や経済発展が見込まれる活力ある地域だ。
元々、オープンスカイには消極的だった中国との締結を実現したのも、「日本側の熱意が強かったため」(政府関係者)という。「韓国などに比べて市場規模が格段に違う中国は外せなかった」(関係者)との声もある。
日本では格安航空会社(LCC)が今年から本格化するなど、海外からのビジネス客や旅行者を取り込む環境が整ってきた。オープンスカイ協定締結の動きはさらに加速化しそうだ。