時間とともに放射性物質の除染困難に
事故後、影響が深刻な地域から持ち出された車両の何割かが、行き先のないスクラップとして積み上がりだしていると推定できる。しかし、国の処理方針も基準もないために、汚染された中古車、解体車の国内流通を防ぐ対策は進んでいない。福島県内の中古車業者の団体、JU福島が中古車の放射線量を計測するなど、対策は業界一部の自主的努力に留まっている。
一方で、福島市や郡山市、いわき市といった周辺で所有し、使用していた車両の一部に高い放射線レベルの車両があり、解体業者にくるケースがあるそうだ。解体業者が除染して処分しているのが実態だが、時間の経過とともに放射性物質が窓枠のゴム部品内部やラジエーターに浸透し、除染しにくくなりだしている。結果的に原発事故の被害車両の数も増えそうな気配は濃厚なのだ。